
深セン市は、ホテル内に初めて外国人旅行者向けの出国時消費税(増値税)還付センターを開設し、9月15日に最初の還付が行われました。11月のAPEC首脳会議を前に、海外からの来訪者向けサービスを拡充しています。
概要
深セン市政府の発表によると、深セン市内のホテル「深圳湾木棉花酒店(Hotel Kapok Shenzhen Bay)」に、市内で初めてとなるホテル内の出国時税還付(離境退税)センターが開設され、2026年9月15日に最初の還付手続きが行われました。市政府は9月16日にこの取り組みを紹介しています。このセンターでは、市内の対象店舗で買い物をした海外からの旅行者が、購入した場所にかかわらず還付申請を行うことができます。
背景
中国では、海外からの旅行者が対象店舗で購入した商品を国外に持ち出す際に、増値税(付加価値税)の還付を受けられる「離境退税」制度が設けられており、近年は購入時にその場で還付を受けられる「即買即退」の仕組みも広がっています。深センでは2026年11月18日から19日に第33回APEC首脳会議が開かれる予定で、市は海外からの来訪者を迎える環境整備を進めています。9月10日には中国国際貿易促進委員会(CCPIT)が、APEC CEOサミットを11月17日から18日に深センで開催し、APECの各エコノミーから政府・企業の代表約1,000人が参加する見通しだと発表しました。税還付サービス網の拡充は、大型国際会議を迎えるにあたって都市の国際的なサービス水準を高める取り組みの一つと位置づけられています。あわせて深センは国際航空路線網の拡充も進めており、市政府によると国際旅客路線は63路線、就航先は40近くの国・地域に上ります。9月15日には中国南方航空の深セン―インドネシア・スラバヤ線が初就航しました。路線網の拡大と消費関連サービスの充実が相まって、海外からのビジネス客や観光客の増加につながると期待されています。
主なポイント
- ホテル内で手続き:深圳湾木棉花酒店のセンターは、市内の対象店舗での購入分について、購入場所を問わず還付申請を受け付けます。
- 多様な受け取り方法:還付金は、6つの主要な国際カードブランド、またはWeChat Pay(微信支付)やAlipay(支付宝)などの第三者決済プラットフォームで受け取ることができます。
- 「即時還付」:条件を満たす旅行者は、協議書に署名しクレジットカードの事前承認を行うことで、出国時ではなく購入時点で、還付相当額の人民元現金を前払いで受け取ることができます。
- 還付網の拡大:深センの還付サービス網は、出入境の検問所、商業エリア、展示会場に加え、ホテルにも広がりました。
- APEC対応:税務当局は、APEC関連行事に参加する外国人客が宿泊するホテルに、還付担当者を配置する計画です。
なお、市政府の発表では、還付の最低購入額などの数値条件や、これまでの利用実績についての統計は示されていません。
日本・深圳の交流への意味
深センを訪れる日本からのビジネス客や観光客にとって、宿泊先のホテルで還付手続きができるようになることは、出国時の空港や検問所での手続きの負担を軽くする可能性があります。深センは香港と陸路でつながっており、検問所を経由して出入りする訪問者も多いことから、手続きの場所が分散されることの利便性は大きいとみられます。また、国際的なカードブランドやモバイル決済での受け取りに対応している点も、海外からの来訪者に配慮したものといえます。展示会や商談で深センを訪れる日本企業の関係者が増えるなか、こうした消費環境の整備は、ビジネスと観光を組み合わせた滞在を後押しするとみられ、日本の小売・観光関連企業にとっても、深センのインバウンド消費の動向に注目が集まっています。深センに拠点を置く日系企業にとっても、日本の本社や取引先からの来訪者を迎える際に、ホテル内での還付手続きは実用的な利便性の一つになるとみられます。
今後の見通し
市はAPEC首脳会議に向けて海外からの来訪者向けサービスの拡充を進めており、APEC関連行事の宿泊ホテルへの還付担当者の配置が予定されています。ただし、ホテル内の還付センターをほかの施設にも広げるかどうかや、その時期については、現時点で発表されていません。
促進会より
当会は、深センにおける外国人来訪者向けサービスや、ビジネス環境の整備に関する動きを引き続き注視してまいります。日本から深センを訪れる企業・団体の皆様に役立つ情報の共有と、交流の場づくりに努めてまいります。
出典
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