TEL 03-5422-1998お問合せ
一般社団法人 日本深圳総商会

Shenzhen × Japan — 2026.03.30

深圳、輸入拡大へ「出口深圳」10項目の措置

深圳市商務局と投資促進局は2026年3月30日、外国から深圳への輸出、すなわち輸入の拡大を目指す「出口深圳」専項措置を公表しました。先端設備や部材、消費財、大宗商品の輸入促進、電子部品の分拨センター誘致、河套での研究用物品の迅速通関など10項目です。

概要

深圳市商務局(深圳市保税区管理委員会)と深圳市投資促進局は2026年3月30日、「深圳市外資貿易の質と効率向上のための3年行動計画――『出口深圳』専項措置」を共同で公表しました。「出口深圳」は「深圳へ輸出する」という意味で、海外の企業や製品を深圳に呼び込み、輸入を拡大することを目的としています。本文は10項目の措置で構成され、商務局は翌31日に図解による政策解説も公表しました。

措置は、産業高度化に必要な輸入、良質な消費財の輸入、大宗商品(バルク商品)の輸入、新たな輸入ビジネスモデル、輸入促進プラットフォーム、輸入市場の多元化、グリーン輸入、地域協力、貿易円滑化、支援サービスの10分野にわたります。

背景

深圳はこれまで輸出の大きさで知られてきましたが、近年は輸入と輸出のバランスや、輸入を通じた産業の高度化・消費の拡大が政策課題となっています。中国全体でも「国内大循環」と国際市場の連携、輸入拡大の方針が示されてきました。

深圳は香港に隣接し、電子部品の巨大な流通拠点でもあります。今回の措置は、こうした地理的・産業的な特徴を生かして、輸入の拠点機能を高める狙いがあるとみられます。

主なポイント

分野主な内容
産業高度化「20+8」産業クラスター向けの先端設備・中核部品の輸入支援、集積回路や薄型ディスプレーモジュールなど必須の中間財向けのカスタマイズ監督、研究開発用の中古自動車部品の輸入試行
消費財日用品、農水産品、中高級消費財、医療・介護機器の輸入支援、生鮮果物のコールドチェーン輸入拠点、国別の輸入商品館、海外ブランドの旗艦店・初出店の誘致
大宗商品エネルギー・鉱物の貿易企業のアジア太平洋本部などの誘致、香港取引所と連携する前海聯合交易センターの現物取引プラットフォーム支援、塩田港のLNG燃料補給拠点
新業態越境EC輸入の拡大と返品手続きの改善、保税修理や保税展示取引の拡大
プラットフォーム前海の国家輸入貿易促進創新示範区、国際電子部品・集積回路取引センターの高度化、電子部品の国内分拨(配送)センター誘致、「港店深倉」(香港で販売・深圳で在庫)モデル
市場・地域協力自由貿易協定の関税優遇や原産地規則のガイド公表、RCEPや中国・ASEANの関税優遇を活用した中間財輸入、APEC市場向けの輸入促進イベント
貿易円滑化河套深港科技創新合作区深圳園区の研究開発用の法定検査対象工業品に対する「差別化された適合性評価」(リスク評価後に迅速に通関)、「事前申告+条件付き通関」の拡大

このほか、輸入信用の拡大や輸入前払い保険の検討、集積回路や専用設備向けの保税倉庫、塩田の国家コールドチェーン拠点の高度化、深圳湾や蓮塘など陸路口岸での検査設備の整備も盛り込まれています。

日本・深圳の交流への意味

日本は中国とともにRCEP(地域的な包括的経済連携)の締約国であり、関税優遇や原産地規則の活用支援は、日本から深圳への部材や消費財の輸出に関わる内容とみられます。集積回路やディスプレーモジュールといった中間財、電子部品の分拨センター誘致は、深圳の電子産業と取引のある日本の部品メーカーや商社にとって注目される措置です。

また、生鮮食品のコールドチェーン拠点や国別の輸入商品館、海外ブランドの初出店誘致は、日本の食品や消費財が華南市場に届く経路の多様化につながる可能性があります。保税修理や越境EC返品の円滑化も、アフターサービスを重視する日本企業の関心を集めそうです。

今後の見通し

措置は3年行動計画の一部と位置付けられていますが、本文には施行日や有効期間、補助金の金額は明記されていません。個別の措置の具体的な手続きや支援水準は、関係部門の今後の発表を待つ必要があります。

促進会より

当会は、深圳の貿易・投資政策の動向を引き続き注視してまいります。日本と深圳の企業の取引や交流に役立つ情報の共有と、交流の場づくりに今後とも努めてまいります。

本記事は公開情報をもとに作成した参考情報です。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。

Membership

深圳と日本をつなぐ、
次の一歩をともに。

入会・イベント参加・取材・協力のご相談は、お気軽にお問い合わせください。