
中国東方航空をはじめとする中国の航空会社は12月5日以降、日本路線の航空券について無料での払い戻し・変更の対象期間を2025年12月31日から2026年3月末まで延長すると相次いで発表しました。12月の日中間の定期便は大幅に減少しており、成田空港も影響を注視しています。
概要
中国の航空各社は2025年12月5日、中国東方航空を皮切りに、日本路線の航空券を対象とした無料の払い戻し・変更措置の期限を、従来の2025年12月31日から2026年3月末まで延長すると相次いで発表しました。報道によると、中国国際航空、中国南方航空、海南航空、春秋航空、上海航空なども同様の措置を打ち出しました。
背景
中国外交部は11月14日、自国民に対して日本への渡航を当面控えるよう呼びかけました。これを受けて翌15日には、中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空の大手3社が日本路線の無料払い戻し・変更措置を発表し、16日には文化観光部も同様の注意喚起を行いました。
航空データ会社シリウムが11月24日に財新に提供したデータによると、12月に計画されている日中間の定期便は、11月14日時点と比べて268便、座席数にして約9万4,000席減少しました。日中間の定期便数は新型コロナウイルス禍以降で最も少ない水準になったと報じられています。
当初の無料払い戻し・変更措置は12月31日までの搭乗分が対象でしたが、今回の延長により、2026年の春節や春の旅行シーズンも対象期間に含まれることになります。
主なポイント
- 成田空港の状況:12月3日付の報道によると、成田国際空港会社の藤井直樹社長は、週約300便ある中国便のうち、減便が判明しているのは約1割にとどまると説明しました。貨物便には変化がなく、減便の多くは12月からで、全体の影響はまだ見通せないとしています。
- 中国・香港路線の比重:成田空港の国際線のうち中国・香港路線は2024年度に路線数の約25.4%、国際線旅客数の約24%を占め、2025年度上半期の旅客数比率は約25.1%でした。
- 入国空港:中国からの入国者が利用した空港は、関西空港が40.3%と最も多く、成田空港(26%)、羽田空港(18.9%)が続きます。
- 訪日客に占める比率:2025年1~10月の訪日外国人に占める中国からの旅行者の比率は23%で、2019年の30%から低下しています。また、中国からの訪日旅行に占める団体旅行の比率は、2025年4~6月に11%と、2015年の42.9%から大きく下がっていると紹介されています。
11月下旬の報道では、中国系航空会社の減便は北海道路線などが中心で、成田・羽田路線はおおむね維持されているとも伝えられていました。成田空港の財務担当幹部は、今回の措置は渡航の「自粛要請」であり禁止ではないことから、影響は限定的との見方を示しています。ただし、減便が拡大・長期化した場合には、中国路線への依存度が高い空港への影響が大きくなり得るとの指摘もあります。航空・観光業界では、今後の予約状況や各社の運航計画を踏まえ、旅客数や経営への影響を慎重に見極めながら、販売や受け入れ体制を調整していく動きがみられます。
日本・深圳の交流への意味
払い戻し措置の延長により、少なくとも2026年3月末までは中国から日本への渡航需要が抑えられた状態が続く可能性があるとみられます。観光業や航空、空港関連の事業者にとっては、需要の動向を慎重に見極める局面が続くと考えられます。
深圳と日本の間でも、ビジネス出張や観光、留学など幅広い人の往来があります。路線ごとの運航計画は各航空会社の発表で確認する必要がありますが、企業の出張計画や展示会への参加、交流事業の日程調整などに影響が及ぶ可能性に関心が寄せられています。一方、個人旅行の比重が高まっていることから、影響の度合いは分野や地域によって異なるとの見方もあります。
今後の見通し
2026年の春節(2月17日)期間を含め、中国からの訪日需要がどの程度回復するかは見通せない状況です。各航空会社の運航計画や措置の扱いが3月末以降どうなるかは、現時点では明らかになっていません。
促進会より
人の往来は、日本と深圳の経済・文化交流の基盤です。当会は引き続き航空便や渡航に関する動向を注視し、会員の皆さまに役立つ情報の共有に努めるとともに、両地域の交流の場を提供してまいります。
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