TEL 03-5422-1998お問合せ
一般社団法人 日本深圳総商会

Shenzhen × Japan — 2025.11.26

ジェトロ調査、在中国日系企業の黒字割合が4年ぶり上昇

ジェトロは11月26日、2025年度「海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」を公表しました。在中国日系企業で2025年の営業利益が黒字見込みとした割合は63.2%と4年ぶりに上昇した一方、今後1~2年に事業を「拡大」するとの回答は21.3%で過去最低を更新しました。

概要

日本貿易振興機構(ジェトロ)は2025年11月26日、「2025年度 海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」の結果を公表しました。副題は「中国は業績改善、インドは好調継続、域内への米国関税の影響は限定的」です。

調査はアジア・オセアニアの20カ国・地域に進出する日系企業を対象に、2025年8月19日から9月17日にかけて実施され、1万2,900社のうち5,109社から有効回答を得ました(有効回答率39.6%)。このうち中国は1,479社に依頼し、791社が回答しました(製造業406社、非製造業385社)。

背景

同調査は1987年に始まり、今回が39回目です。日系企業の業績見通しや事業展開の方向性、経営上の課題などを国・地域別に把握できる資料として、企業や研究者に広く活用されています。中国については、ここ数年、需要の伸び悩みや競争の激化を背景に、業績や事業拡大意欲の低下が続いていました。

主なポイント

項目全体中国
2025年の営業利益「黒字」見込み66.5%(前年65.8%)63.2%(前年比4.8ポイント上昇)
今後1~2年の事業「拡大」45.0%(前年43.8%)21.3%(前年21.7%)
  • 業績改善:中国の黒字割合は4年ぶりに上昇しました。営業利益が前年より「改善」するとの回答も、中国では7.5ポイント上昇しました。改善理由としては「現地での需要増加」が最も多く、「輸出先市場での需要増加」「生産・販売効率、稼働率の改善」「人件費の削減」なども挙げられました。
  • 事業展開:中国で事業を「拡大」するとの回答は2022年以降低下が続き、21.3%と非製造業を調査対象に加えた2007年度以降で最低となりました。ただし、前年からの下落幅は縮小しています。一方、インドは81.5%と5年連続で上昇しました。
  • 米国関税の影響:対米輸出がある企業では、営業利益への「マイナスの影響」を挙げた割合が中国で53.4%と、域内で最も高い水準でした。
  • 人材:直近2年間で「採用が困難になっている」との回答は中国で18.6%と、比較的低い水準でした。
  • 競争環境:中国で競争が激化している相手として、地場企業を挙げた割合が50.4%に上りました。

全体では、2025年の営業利益が「赤字」見込みとの回答は16.7%で前年と変わらず、「改善」見込みは36.6%と前年から0.8ポイント低下しました。国・地域別ではインドの黒字割合が75.5%と高水準を維持しており、域内で業績や拡大意欲の差が広がっていることがうかがえます。

日本・深圳の交流への意味

今回の結果からは、在中国日系企業の収益環境に一定の改善がみられる一方で、新たな投資や事業拡大には依然として慎重な姿勢が続いていることがうかがえます。生産効率の改善やコスト削減で利益を確保しつつ、拡大の判断は見極めている企業が多いとみられます。

電子産業や新エネルギー関連産業が集積する深圳を含む華南地域では、地場企業との競争が激しい一方、地場企業との取引や協業の機会も多いとされます。現地市場の変化に合わせた事業の見直しや、深圳企業とのパートナーシップのあり方に関心が集まっています。

今後の見通し

調査では、2026年の営業利益見通しについて、全体で「改善」が2025年見込みより5.1ポイント上昇し、「悪化」が12.6ポイント低下しました。中国での拡大意欲の低下に歯止めがかかるかどうか、また米国の関税措置を含む通商環境が今後どう推移するかは、引き続き不透明です。

促進会より

日系企業の現地での実情を示す調査結果は、日本と深圳の経済交流を考えるうえで重要な手がかりとなります。当会は引き続きこうした調査や動向を注視し、日本企業と深圳企業の対話と相互理解の場づくりに努めてまいります。

本記事は公開情報をもとに作成した参考情報です。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。

Membership

深圳と日本をつなぐ、
次の一歩をともに。

入会・イベント参加・取材・協力のご相談は、お気軽にお問い合わせください。