
深圳に本社を置くテンセントは2025年8月13日、4~6月期決算を発表しました。売上高は前年同期比15%増の1,845億元、Non-IFRS営業利益は18%増の692億元でした。海外ゲーム収入が35%増、マーケティングサービス収入が20%増となり、AI活用の効果を強調しました。
概要
深圳に本社を置く大手インターネット企業、騰訊控股(テンセント)は2025年8月13日、2025年4~6月期(第2四半期)の決算を発表しました。売上高は1,845億元で前年同期比15%増、粗利益は1,050億元で同22%増となりました。本業の実力を示すとされるNon-IFRSベースの営業利益は692億元(同18%増)で、営業利益率は前年の36%から38%に上昇しました。IFRSベースの株主帰属純利益は556億元(同17%増)でした。設備投資は191億元と前年同期比119%増加しています。
馬化騰(ポニー・マー)会長兼CEOは、AIへの投資を進めると同時にAI活用の恩恵も受け、売上高とNon-IFRS営業利益がともに2桁成長を達成したと説明しました。
背景
テンセントは1998年に深圳で創業し、2004年から香港証券取引所のメインボードに上場しています。対話アプリ「微信(Weixin)/WeChat」や「QQ」を中核に、ゲーム、広告、決済などのフィンテック、クラウドなどの企業向けサービスを展開する、深圳を代表する企業の一つです。近年は生成AIへの取り組みを強化しており、自社の基盤モデル「混元(HunYuan)」や、AIアプリ「元宝(Yuanbao)」の普及を進めています。今回の決算は、こうしたAI投資が既存事業の収益にどのように結び付いているかを示すものとして注目されました。
主なポイント
| 事業区分 | 4~6月期売上高 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 付加価値サービス(VAS)合計 | 914億元 | 16%増 |
| うち国内ゲーム | 404億元 | 17%増 |
| うち海外ゲーム | 188億元 | 35%増 |
| うちソーシャルネットワーク | 322億元 | 6%増 |
| マーケティングサービス | 358億元 | 20%増 |
| フィンテック・企業サービス | 555億元 | 10%増 |
- 利用者基盤:WeixinとWeChatの合算月間アクティブユーザー(MAU)は14億1,100万人(前年同期比3%増)。
- ゲーム:国内ではシューティングゲーム「デルタフォース」の1日平均アクティブユーザーが2,000万人を超えました。海外ではSupercellの「クラッシュ・ロワイヤル」の月間売上が7年ぶりの高水準となったほか、新作「Dune: Awakening」も寄与しました。
- 広告:広告基盤モデルの改良により、広告の配信精度や効果が高まったとしています。
- 企業向けサービス:GPUの貸し出しやAPI利用などAI関連の需要増加が成長を押し上げました。
- AI技術:「混元3D」モデルがHugging Faceの3D生成ランキングで首位になったと説明しています。
- 株主還元:同期中に約3,890万株、約194億香港ドル分の自社株買いを実施しました。
日本・深圳の交流への意味
テンセントは深圳のデジタル産業を象徴する企業であり、その業績はゲーム、デジタルコンテンツ、広告、AIといった分野の動向を映す指標の一つとみられています。海外ゲーム収入の大幅な伸びは、中国企業が関わるゲームの国際展開が進んでいることを示しており、ゲームやアニメなどのコンテンツ産業を抱える日本企業にとっても、協業や競争の両面から関心が高まりそうです。また、AIを広告やゲーム制作に組み込む取り組みは、日本企業がデジタルマーケティングやコンテンツ開発を考えるうえでの参考事例としても注目が集まっています。中国の消費者に向けて情報発信を行う日本の企業や自治体にとって、Weixinを中心としたエコシステムの動向は引き続き重要な関心事になるとみられます。
今後の見通し
同社はAIを活用した機能をWeixinや広告、ゲームにさらに広げ、AIアプリ「元宝」の利用拡大や「混元」モデルの能力向上に取り組む方針を示しています。一方、設備投資の増加が今後の収益にどのように反映されるかについては、具体的な見通しは示されておらず、今後の決算で確認されることになりそうです。AI投資と収益性のバランスがどう推移するかは、深圳のテクノロジー産業の動向を見るうえでも引き続き関心を集めるとみられます。
促進会より
深圳発のデジタル企業の動向は、日本の産業界にとっても多くの示唆を含んでいます。当会はこうした深圳企業の動きを引き続き注視し、日本と深圳の企業が情報を交換し、交流を深めるための場を今後も提供してまいります。
出典
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