
深圳税関は2025年7月22日、同年上半期の深圳市の貿易総額が2兆1,700億元となり、全国の9.9%を占めたと発表しました。輸出は1兆3,100億元、輸入は8,588億6,000万元(前年同期比9.5%増)で同期として過去最高となり、貿易総額と輸出は中国本土の都市で首位でした。
概要
深圳税関(深圳海関)は2025年7月22日、同年上半期(1〜6月)の深圳市の貿易統計を発表しました。輸出入総額は2兆1,700億元で、全国の輸出入総額の9.9%を占めました。内訳は輸出が1兆3,100億元、輸入が8,588億6,000万元で、輸入は前年同期比9.5%増と同期として過去最高を記録しました。輸出入総額と輸出の規模は、いずれも中国本土の都市の中で首位となっています。
背景
中国全体の上半期の貨物貿易額は、7月14日に海関総署が発表したデータによると21兆7,900億元で、前年同期比2.9%増でした。深圳は国土面積に占める割合がごくわずかながら、全国の貿易額の約1割を担う中国最大級の貿易都市です。2024年には貿易総額が約4兆5,000億元となり、本土都市の首位に返り咲いたほか、輸出は32年連続で全国の都市の首位となっています。電子情報産業を中心とする製造業の集積に加え、塩田港などの港湾インフラ、越境EC企業の集積が深圳の貿易を支えています。
主なポイント
- 製品:機電製品の輸出は9,802億9,000万元(3.5%増)で輸出全体の74.9%。このうちコンピューターと部品は1,534億1,000万元(14.6%増)、電池は382億8,000万元(39.5%増)、音響・映像機器と部品は423億元(4.6%増)でした。機電製品の輸入は7,090億8,000万元(17.1%増)で輸入全体の82.6%を占めました。
- 企業類型:民営企業の輸出入は1兆5,100億元で全体の69.8%。外資系企業は5,630億6,000万元(9%増)で約26%、国有企業は891億4,000万元でした。
- 貿易方式:一般貿易が54.8%を占め、保税物流は5,854億4,000万元(15.1%増、約27%)、加工貿易は3,815億4,000万元(ほぼ横ばい、17.6%)でした。
- 相手先:上位3つはASEAN(3,582億7,000万元)、香港(3,400億4,000万元、7.2%増)、台湾(2,521億1,000万元、33%増)。EUは2,182億9,000万元、米国は2,057億7,000万元でした。「一帯一路」沿線国は7,816億2,000万元、ASEAN以外のRCEP加盟国(日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド)は6,030億3,000万元でした。
なお、発表では日本単独の貿易額は示されていません。深圳市政府の紹介記事では、深圳のARグラスメーカー「雷鳥(RayNeo)」が米国、カナダ、日本のアマゾンで市場シェア首位にあることが、海外展開の事例として挙げられています。
日本・深圳の交流への意味
輸入が同期として過去最高となり、機電製品の輸入が大きく伸びたことは、深圳の製造業が部品や素材を海外から調達する需要の強さを示しているとみられます。電子部品や素材、製造装置などの分野で深圳との取引がある日本企業にとって、こうした動向は注目材料となりそうです。また、外資系企業の輸出入が9%増となったことから、深圳で事業を行う日系企業を含む外資系企業の役割にも関心が集まっています。
一方、深圳企業の側では、電池やコンピューター関連の輸出が伸びており、ARグラスの事例のように、日本市場で存在感を高める製品も出てきています。日本と深圳の間では、部材の供給と完成品の販売の両面で、双方向の取引が広がる可能性があるとみられます。
今後の見通し
深圳税関の発表では、下半期の見通しについての具体的な数値は示されていません。国際的な通商環境が変化する中で、深圳の貿易が年間を通じてどのように推移するかは、今後の統計発表を待つ必要があります。
促進会より
当会は、深圳の貿易・産業の動向を引き続き注視し、会員の皆様への情報提供に努めてまいります。日本と深圳の企業の交流と相互理解に資する場づくりを今後も続けてまいります。
出典
本記事は公開情報をもとに作成した参考情報です。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。

