
深圳市統計局は4月28日、2025年1〜3月期の域内総生産(GDP)が8,950億4,900万元、前年同期比5.2%増だったと発表しました。自動車製造業の付加価値が56.3%増と成長をけん引した一方、貿易総額は2.8%減となりました。
概要
深圳市統計局は2025年4月28日、同年1〜3月期の経済統計を発表しました。域内総生産(GDP)は8,950億4,900万元で、不変価格ベースで前年同期比5.2%増となりました。界面新聞などの報道によると、この伸び率は広東省全体の4.1%を上回り、中国の一線都市(北京・上海・広州・深圳)の中では2番目の高さでした。一方で、深圳市が掲げる年間目標の5.5%にはわずかに届いていません。
背景
深圳は電子情報産業を中心に製造業の比重が高く、近年は新エネルギー車(NEV)、ドローン、ロボットなどの新興産業が成長の柱となっています。2025年に入り、世界的な通商環境の不確実性が高まる中、輸出の動向や内需の回復ぶりに関心が集まっていました。
今回の統計は2025年最初の四半期の実績であり、年間成長目標に対する進捗を測る材料として、また世界的な通商環境が変化する中での深圳経済の底堅さを示す指標として注目されていました。
主なポイント
| 指標 | 1〜3月期の実績 |
|---|---|
| GDP | 8,950.49億元(5.2%増) |
| 第二次産業 | 2,951.44億元(3.7%増) |
| 第三次産業 | 5,994.19億元(6.0%増) |
| 一定規模以上の工業付加価値 | 4.2%増 |
| 社会消費品小売総額 | 2,403.17億元(3.1%増) |
| 貿易総額 | 9,901.04億元(2.8%減) |
| うち輸出/輸入 | 5,855.05億元(8.7%減)/4,045.99億元(7.1%増) |
- 自動車:自動車製造業の付加価値は56.3%増と大きく伸びました。深圳に本社を置くBYDの1〜3月期の販売台数は約100万台(59.81%増)、うち海外販売は約21万台でした
- ハイテク製品:民生用ドローンの生産量は48.2%増、産業用ロボットは40.1%増、3Dプリンターは38.0%増となりました
- 新興産業クラスター:スマートコネクテッドカーが38.8%増、ロボットが38%増、低空経済・宇宙航空が22.3%増でした
- 投資:工業投資は1.4%増にとどまる一方、設備更新などの技術改造投資は61.8%増でした
- 消費:家電・音響映像機器の販売額が59.3%増となり、買い替え支援策の効果がうかがえます
- 往来:出入境者数は延べ6,400万人を超え、15.2%増でした
日本・深圳の交流への意味
輸出が減少する一方で輸入が7.1%増加しており、深圳の貿易構造に変化が見られます。半導体や電子部品、製造装置など日本企業が強みを持つ分野の需要動向にも関心が集まっています。また、自動車、ドローン、ロボットといった分野の生産拡大は、部品・素材の調達や生産設備の面で日本企業との取引機会に関係するとみられます。
サービス業が6.0%増と一線都市で最も高い伸びとなったことや、出入境者数の増加は、深圳が消費・観光・ビジネス交流の拠点としての性格を強めていることを示しているとみられます。日本企業にとっては、製造拠点としてだけでなく、市場や連携相手としての深圳に注目する動きが続きそうです。
深圳の第三次産業の規模は5,994億元余りとなり、同じ広東省の広州(5,789億元余り)を上回りました。サービス業の拡大は、金融、物流、ソフトウェア、専門サービスなどの分野で、外資系企業にとっての事業機会にも関わるとみられます。
また、工業投資のうち技術改造投資が38.7%を占めたことは、既存の工場で設備の自動化やデジタル化が進んでいることを示しているとみられます。工作機械、ロボット、検査装置などの分野では、日本企業の製品や技術への関心が続く可能性があります。
今後の見通し
深圳税関によると、3月単月の貿易総額は3,870億5,000万元(12.3%増)で、輸出は8.8%増、輸入は17.2%増と、四半期末にかけて持ち直しの動きが見られました。ただ、外部環境の不確実性は依然として大きく、4月以降の貿易動向は不透明です。深圳市が年間目標5.5%の達成に向けてどのような追加策を講じるかは、現時点では明らかになっていません。
促進会より
深圳の経済動向は、深圳と関わる日本企業にとって重要な判断材料の一つです。当会は今後も統計や政策の動きを注視し、会員の皆様への情報提供と交流の場づくりに努めてまいります。
本記事は公開情報をもとに作成した参考情報です。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。

