
深圳市は外資系企業の誘致に向けた国際的なビジネス環境の整備を進めています。2025年1〜2月の外資系企業の新設は1,388社(23.8%増)、実行ベースの外資利用額は81億6,000万元(16%増)でした。4月3日にはキヤノンなど外資系企業の代表約90人が深圳を訪れました。
概要
深圳特区報の報道(2025年4月3日、中国新聞網に転載)によると、深圳市は国際的なビジネス環境の整備を進め、外資系企業の誘致に力を入れています。2025年1〜2月に深圳で新たに設立された外資系企業は1,388社で前年同期比23.8%増、実行ベースの外資利用額は81億6,000万元で16%増となりました。
4月3日には、中国国際貿易促進委員会(中国貿促会)が主催する外資系企業の「地方行」(地方視察プログラム)が深圳で行われ、ハネウェル、クアルコム、ゼネラル・エレクトリック、東亜銀行、IBM、グルンドフォス、RELX、キヤノンなどの企業や外国商工会議所の代表約90人が参加しました。
背景
深圳市商務局によると、2024年に深圳で新設された外資系企業は9,738社(21.7%増)で、中国の大中都市の中で首位でした。深圳市は「世界の投資先の第一選択」となることを目標に掲げています。
政策面では、2024年5月に外資の誘致・活用をさらに進めるための実施措置(5分野20項目)を公表し、2025年1月には外資利用奨励計画の実施細則を発表しました。さらに3月には、市場化・法治化・国際化の三つのビジネス環境に関する2025年の工作方案を公表しています。このうち国際化の方案は、世界の資源を引き付ける力を高め、企業が資源にアクセスしやすくすることに重点を置いているとされています。
主なポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 外資系企業の新設(2025年1〜2月) | 1,388社(23.8%増) |
| 実行ベース外資利用額(同) | 81億6,000万元(16%増) |
| 外資系企業の新設(2024年) | 9,738社(21.7%増、大中都市で首位) |
| 2025年の目標 | 実行ベース外資利用額500億元超 |
- 最近の主な案件:シンガポールのDBS銀行による深圳農村商業銀行への15億9,600万元の追加出資(累計88億元超)、シーメンスの医療機器関連会社による南山区での10億元超の研究開発・製造拠点、フランスのJCDecauxの深圳での会社登記(交渉から登記まで40日未満)など
- 新規開業:ヴァレオの宝安区のスマート製造センター、ウォルマート、コストコ、ギャラリー・ラファイエットの新店舗、シェルの太陽光・蓄電・充電を一体化した超急速充電ステーションなど
- 今後の開放分野:電気通信、インターネット、教育、文化、医療、ビッグデータ、人工知能などの分野で開放を広げる方針
- 手続きの簡素化:書類の一部に不備があっても申請を受け付ける「容缺受理」の導入を検討し、登記手続きの利便性を高めるとしています
深圳市商務局の葉文戈副局長は、外資系企業へのサービスと支援を引き続き改善し、登記の簡素化や政策の的確な周知を進める考えを示しました。オランダ商工会議所深圳事務所の代表は、深圳のビジネス環境が技術、貿易、投資の将来を形作るうえで重要な役割を果たすとの見方を示しました。
日本・深圳の交流への意味
今回の視察には日本企業としてキヤノンが参加しており、深圳の外資誘致の取り組みが日本企業にも向けられていることがうかがえます。深圳に進出している日本企業にとっては、登記手続きの簡素化や奨励策の拡充が事業環境の改善につながる可能性があり、新たな進出を検討する企業にとっても判断材料の一つになるとみられます。
また、医療、人工知能、ビッグデータなどの分野で開放が進めば、日本企業がこれまで参入しにくかった分野でも事業機会が生まれる可能性があります。一方で、具体的な規制緩和の内容や適用条件は今後の発表を待つ必要があり、制度の運用状況を注視することが重要になるとみられます。
深圳市はサウジアラビア、マレーシア、インドネシアなどからの代表団も受け入れており、外資誘致の対象を幅広い国・地域に広げています。日本企業にとっては、他国の企業との競争と協業の両面から、深圳の動きに注目が集まっています。
今後の見通し
深圳市は2025年の実行ベース外資利用額500億元超を目標としていますが、各分野の具体的な開放措置や「容缺受理」の実施時期は、現時点では明らかになっていません。今後発表される個別の政策や、外資系企業の進出状況が注目されます。
促進会より
深圳の投資環境に関する政策は、日本企業にとって重要な情報です。当会は今後も関連政策の動きを注視し、深圳と日本の企業が交流し、相互理解を深められる場づくりに取り組んでまいります。
本記事は公開情報をもとに作成した参考情報です。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。

