
深圳税関によると、2026年1~9月の深圳市の輸出入総額は4.65兆元で前年同期比38.8%増となり、すでに2025年通年の規模を上回りました。AI関連部品の取引がけん引し、日本との貿易も72.3%増えました。
概要
2026年10月19日に広東省政府新聞弁公室が開いた記者会見で、深圳税関は2026年1~9月の深圳市の貿易統計を発表しました。輸出入総額は4兆6,500億元(人民元、以下同じ)で前年同期比38.8%増となり、全国の輸出入総額の11.6%を占めました。この時点で2025年通年の規模を上回り、同期として過去最高を更新し、引き続き中国本土の都市で首位となっています。
内訳は輸出が2兆4,100億元(18.5%増)、輸入が2兆2,400億元(70.1%増)です。9月単月では6,634億8,000万元と65.2%増加しました。深圳新聞網によると、主要貿易相手のうち日本との貿易は72.3%増と、大きな伸びを示しました。
背景
深圳は電子機器やその部品の一大生産・流通拠点で、長年にわたり中国本土の都市別貿易額でトップの位置を占めてきました。2026年は世界的なAI関連投資の拡大を背景に、集積回路などの部品の輸出入が急増しています。深圳税関によると、集積回路などAI関連部品の輸出入規模は全国一で、市全体の貿易増加分の6割以上を占めました。
また、2026年11月には深圳でAPEC(アジア太平洋経済協力)関連会議が予定されており、深圳とAPEC域内経済との結び付きにも関心が高まっています。1~9月の深圳とAPEC域内の他の経済体との貿易額は3兆2,300億元で、40%増と過去最高でした。
主なポイント
| 項目 | 金額 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 輸出入総額 | 4.65兆元 | 38.8%増 |
| 輸出 | 2.41兆元 | 18.5%増 |
| 輸入 | 2.24兆元 | 70.1%増 |
| 一般貿易 | 2.33兆元 | 28.8%増 |
| 保税物流 | 1.45兆元 | 62.8%増 |
| 民営企業 | 3.46兆元 | 49.9%増 |
| 外資系企業 | 1.14兆元 | 22.8%増 |
- 貿易相手:上位3つは香港(67.8%増)、ASEAN(31.1%増)、台湾(23.1%増)で、合計で全体の44.9%。EUは14.6%増、米国は19.3%増、日本は72.3%増、RCEPの他の加盟国は41.7%増でした。
- 輸出品目:機電製品の輸出は1兆8,700億元(21.4%増)で輸出全体の77.7%。電子部品は3,900億元(47.7%増)、EV・リチウム電池・太陽光製品の「新三様」は1,073億元(25%増)。
- 輸入品目:集積回路の輸入は9,594億5,000万元(62.2%増)、コンピューター部品は5,239億1,000万元(135%増)。
- 経営主体:輸出入実績のある企業は7万社を超えました。
日本・深圳の交流への意味
日本との貿易が全体を大きく上回るペースで伸びていることは、半導体製造装置や電子部品、素材など日本企業が強みを持つ分野と、深圳の電子・AI関連産業との結び付きが強まっていることを反映しているとみられます。外資系企業の貿易も2割を超える伸びとなっており、深圳に拠点を置く日系企業の事業環境を考えるうえでも注目される数字です。
一方で、伸びの多くは特定のAI関連部品に集中しており、需要の変動による影響を受けやすい面もあると指摘されています。日本と深圳の企業にとっては、サプライチェーンの動向を継続的に把握することが重要になるとみられます。
今後の見通し
10~12月期の推移や2026年通年の実績は、今後の深圳税関の発表で明らかになります。11月のAPEC関連会議を通じて、深圳と域内経済の貿易・投資協力の具体策が示されるかどうかにも関心が集まっていますが、現時点で日本との関係に絞った新たな措置は発表されていません。
促進会より
当会は、深圳の貿易・経済動向と日本との経済交流の推移を引き続き注視してまいります。会員の皆さまをはじめ、日本と深圳の関係者の情報交換に役立つ場づくりに今後も努めてまいります。
本記事は公開情報をもとに作成した参考情報です。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。

