
深圳市統計局は7月24日、2026年上半期の域内総生産(GDP)が前年同期比5.8%増の1兆9,843.48億元だったと発表しました。製造業が9.3%増と全体をけん引し、貨物貿易は33.0%増と大きく伸びた一方、消費と投資には弱さも見られます。
概要
深圳市統計局は2026年7月24日、広東省による地域総生産の統一算定結果に基づき、2026年上半期(1〜6月)の深圳市の域内総生産(GDP)が1兆9,843.48億元、不変価格ベースで前年同期比5.8%増になったと発表しました。成長率は第1四半期と同じ5.8%を維持し、21世紀経済報道によると、通年目標の5.0%を上回るペースとなっています。深圳特区報などが翌25日に詳しく報じています。
産業別では、第1次産業が12.28億元(4.0%増)、第2次産業が7,144.65億元(6.4%増)、第3次産業が1兆2,686.55億元(5.5%増)でした。
背景
深圳は電子情報、通信機器、新エネルギー車、電池などの製造業と、金融・情報サービスを両輪とする中国有数の経済都市です。近年は人工知能(AI)やロボットなど先端分野への投資を強化する一方、不動産市場の調整や個人消費の伸び悩みが課題となっています。深圳は4年連続で「工業第一の都市」とされており、製造業の存在感は依然として大きいものがあります。今回の統計でも、こうした「強い製造業・外需」と「弱い内需」の構図が表れました。不動産開発を除いた固定資産投資も7.7%減となっています。
今回の発表は、生産、サービス、消費、投資、貿易、金融、物価を網羅しており、年央時点の深圳経済の全体像を示すものです。6月末の内外貨預金残高は15兆5,309.98億元(9.7%増)、貸出残高は10兆3,017.32億元(4.6%増)でした。
主なポイント
| 項目 | 上半期の実績 |
|---|---|
| 規模以上工業付加価値 | 8.7%増(うち製造業9.3%増) |
| コンピューター・通信・電子機器製造 | 12.3%増 |
| 貨物輸出入総額 | 2兆8,790.95億元、33.0%増 |
| うち輸出/輸入 | 1兆5,073.54億元(15.5%増)/1兆3,717.41億元(59.8%増) |
| 社会消費品小売総額 | 5,005.81億元、1.2%増 |
| 固定資産投資 | 14.6%減(不動産開発投資は28.6%減) |
| 消費者物価指数 | 0.8%上昇 |
- 先端製品:3Dプリンター設備が58.1%増、産業用ロボットが43.9%増、リチウムイオン電池が25.5%増と高い伸びを示しました。汎用設備製造業は13.2%増、専用設備製造業は12.8%増でした。
- サービス業:金融業の付加価値が10.6%増、情報伝送・ソフトウェア・情報技術サービス業が7.8%増。港湾のコンテナ取扱量は7.7%増、空港旅客数は3.2%増でした。
- 貿易:ハイテク製品の輸出が26.4%増。6月単月では輸出入総額が42.1%増と伸びが加速しました。
- 投資の中身:全体は減少したものの、ハイテク産業投資は27.4%増、工業の技術改造投資は24.2%増、インフラ投資は10.1%増と、分野による差が鮮明です。
- 消費:通信機器の小売が42.4%増、家具が19.1%増、化粧品と文化・事務用品がそれぞれ11.2%増、飲食収入が5.1%増と一部は好調でしたが、全体の伸びは1.2%にとどまりました。
日本・深圳の交流への意味
輸入が約6割増と大きく伸びたことや、産業用ロボット、電池、各種設備の生産拡大は、部品・素材・製造装置などを供給する海外企業にとっても関心の高い動きとみられます。日本企業はこれらの分野で強みを持つことから、深圳の製造業の動向は、取引や現地事業の計画を考える上で引き続き重要な指標になると考えられます。
一方、小売の伸びが1.2%にとどまるなど消費は力強さを欠いており、深圳で小売・外食などの消費者向け事業を展開する日系企業にとっては、品目ごとの需要の変化を丁寧に見極めることが求められそうです。ハイテク投資の拡大が今後どの程度消費や雇用に波及するかにも注目が集まっています。
今後の見通し
下半期の具体的な見通しや新たな景気対策については、今回の発表では示されていません。不動産投資の落ち込みや消費の弱さがどこまで続くか、また外需の伸びが維持されるかが、通年の成長を左右する要因となりそうです。
促進会より
当会は、深圳の経済統計や政策の動きを引き続き注視し、会員の皆様に役立つ情報の共有に努めてまいります。日本と深圳の経済交流の一助となるよう、今後も交流の場づくりを続けてまいります。
出典
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