
新華社は7月6日、深圳のロボット産業を特集し、関連企業が7.4万社超、2025年の産業総生産が過去最高の2,426億元に達したと報じました。南山区の「ロボット谷」発の消費者向け外骨格ロボットは70以上の国・地域で販売されています。
概要
2026年7月6日、新華社と中国中央テレビ(CCTV)は、全国メディアによる取材企画「活力中国調研行」の一環として、深圳のロボット産業を取り上げた記事を相次いで配信しました。報道によると、深圳にはロボット産業チェーン関連企業が7.4万社余りあり、2025年のロボット産業総生産は2,426億元と過去最高を記録しました。記事では、南山区の企業「極殻科技(深圳)有限公司」が開発した消費者向け外骨格ロボットが、世界70以上の国・地域で数万人のユーザーを獲得している事例が紹介されました。
背景
外骨格ロボットは、もともと医療やリハビリ、産業用途を中心とした大型・高価な装置で、研究室レベルの医療用製品は数万米ドルに上るものもありました。極殻科技は2021年に設立され、創業者兼CEOの孫寛氏は大学院で外骨格のシミュレーションを専攻した1990年代生まれの起業家です。平均年齢30歳未満のチームが約5年をかけ、一般の人が身に着けて使える軽量で手頃な製品に仕上げたとされています。
深圳では、南山区の陽台山と塘朗山の間に位置する一帯が「ロボット谷」と呼ばれ、若い起業チームや企業が急速に集積しています。市は都市そのものを「ロボットの実験場」と位置づけ、応用シーンの開放を進めてきました。
CCTVの記者は実際に製品を装着し、足を上げようとする動作の意図を機器が感知して補助力を加える仕組みを体験しました。約10分間階段を歩いても太ももの張りを感じなかったと伝えています。
主なポイント
- 産業規模:関連企業7.4万社余り、2025年の総生産2,426億元(過去最高)。
- 人型ロボットの集積:南山区工業・情報化局によると、新興の人型ロボット分野で南山区に集まる完成機メーカーは25社を超えています。
- サプライチェーンの速さ:孫寛氏は「朝に試作部品を発注すれば、夜にはサンプルが届く」と述べ、粤港澳大湾区の充実した産業チェーンがハードウェアの改良サイクルを大きく速めていると説明しました。
- 応用シーン:高齢者施設での見守り・介護支援、宝安区の「グローバル・ロボット開発選定サービスセンター」、竜崗区の全国初の「ロボット街区」、深圳湾公園などで、ロボットが市民生活に入り始めています。
- 用途の広がり:外骨格製品は屋外作業やアウトドアスポーツのほか、体力に不安のある高齢者層にも支持されているとされています。
- 行政の支援:地元政府は産業用地、投融資、応用シーン、人材などの面で起業企業を包括的に支援しており、深圳は「人型ロボット第一の都市」を目指す姿勢を示しています。
日本・深圳の交流への意味
日本は産業用ロボットや減速機、サーボモーター、センサーなどの基幹部品で長い蓄積を持っており、深圳のロボット産業の拡大は、こうした部品・素材の需要や技術協力の機会につながる可能性があるとみられます。一方、深圳の新興企業は短い開発サイクルと低コストを武器に海外展開を急いでおり、消費者向けロボットや介護・アシスト機器の分野で日本市場への関心が高まることも考えられます。
また、試作から量産までを短期間でつなぐ深圳のサプライチェーンは、日本のスタートアップやメーカーが試作・小ロット生産の拠点として活用する余地もあるとみられ、双方の企業間の協業の形が多様化していく可能性があります。
特に、高齢化が進む日本では、歩行支援や作業負担の軽減といったニーズが大きく、深圳発の軽量・低価格製品と日本の安全基準や介護現場の知見がどのように組み合わされるかに注目が集まっています。
今後の見通し
報道は、深圳が「ハードな基盤」と「ソフトな実力」の両面からロボット産業を強化し、人型ロボット分野での先行を目指していると伝えています。ただし、具体的な数値目標や新たな支援策の時期は今回の記事では示されておらず、今後の市の政策発表が注目されます。
促進会より
当会は、深圳のロボット産業をはじめとする先端分野の動向を引き続き注視してまいります。日本と深圳の企業・研究者が情報を交換し、相互理解を深められる場づくりに、今後も努めてまいります。
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