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一般社団法人 日本深圳総商会

Shenzhen × Japan — 2026.06.04

前海、外国人向け決済サービス改善の10項目措置を発表

深圳市前海管理局などは2026年6月4日、外国人など境外からの来訪者の決済の利便性を高める「前海合作区の国際化決済サービス最適化に関する10項目措置」を発表しました。外国カード対応の拡大や外貨両替拠点の整備に補助金を設け、6月19日から1年間施行されます。

概要

深圳市前海深港現代サービス業合作区管理局(前海管理局)、中国人民銀行深圳市分行、国家外貨管理局深圳市分局、深圳市人民政府外事弁公室、深圳市商務局、深圳市地方金融管理局の6機関は、2026年6月4日付で「前海合作区の国際化決済サービス最適化に関する10項目措置」(深前海規〔2026〕5号)を発表しました。外国人など境外からの来訪者が前海で買い物、宿泊、交通、観光をする際の決済の不便を解消することが狙いです。措置は6月19日に施行され、有効期間は1年間です。政策解説は6月8日に深圳市政府のウェブサイトで公表されました。

背景

中国ではモバイル決済が高度に普及する一方、銀行カードや現金の利用が減っており、カードや現金に慣れた一部の外国人来訪者にとっては不便な面があると指摘されてきました。こうした課題に対応するため、国務院弁公庁は2024年3月に「決済サービスの一層の最適化と決済利便性の向上に関する意見」(国弁発〔2024〕10号)を公表し、主要加盟店での外国カード受け入れ、外貨両替拠点の拡充、外国カードによるATMでの人民元引き出し、モバイル決済の使いやすさ向上などを打ち出しました。深圳市も同月、「全域決済モデル区」づくりの工作方案を定め、買い物、宿泊、交通、観光の4つの場面を重点としてきました。今回の措置は、前海管理局が香港、シンガポール、北京、上海の取り組みを参考にし、金融機関や商業施設、ホテル、観光地への調査を経てまとめたものです。

主なポイント

10項目の措置は、大きく4つの分野に整理されています。

  • 日常消費(第1〜3項):商業エリアによる「深圳市便利決済商圏」への申請を奨励し、重点加盟店での外国カード対応POS端末の全面設置を目指します。国際決済サービスコーナーを設け、専任スタッフによる相談対応や、決済アプリのダウンロード・登録支援、釣り銭対応などを行います。
  • 現金・両替(第4〜6項):商業エリア、ホテル、観光地などで、外国カード対応ATMや外貨両替機、デジタル人民元のハードウォレットを発行するセルフ端末の設置を進めます。ホテルでの両替サービスを推進し、APEC参加エコノミーでよく使われる通貨の紙幣を備えるよう金融機関に働きかけます。
  • モバイル決済(第7〜8項):前海の決済機関とAPEC参加エコノミーの電子ウォレットとの提携を促し、来訪者がWeChatなどをダウンロードしなくても、国内の店舗でコード決済ができる環境づくりを目指します。手のひら認証や顔認証を使ったスマート決済のモデル場面も整備します。
  • 周知・広報(第9〜10項):中英2言語の手描きマップや決済ガイドを作成し、両替用ミニプログラム「鵬城易匯」の普及を図ります。空港や旅行会社、機内などで動画や資料を通じて周知します。
支援項目支援額
「便利決済商圏」に選ばれた商圏の運営者1回限り30万元
新設の外貨両替拠点の運営者1回限り50万元
スマート決済場面の提供者(手のひら・顔認証の応用3件以上)実投資額の50%、1社当たり上限100万元

このほか、地下鉄改札での外国銀行カードやデジタル人民元ハードウォレットによるタッチ乗車、ガイド向けの決済研修なども盛り込まれています。

日本・深圳の交流への意味

深圳を訪れる日本のビジネス関係者や旅行者にとって、現地での支払い方法は以前から関心の高いテーマでした。外国カードの利用場面の拡大や両替拠点の整備が進めば、出張や視察、展示会参加の際の負担軽減につながるとみられます。また、海外の電子ウォレットとの連携が具体化すれば、来訪者の利便性がさらに高まる可能性があり、今後の進展に注目が集まっています。前海に拠点を置く企業や、来訪者向けサービスを手がける事業者にとっても、受け入れ環境の変化を把握しておく意義は大きいと考えられます。

今後の見通し

措置は2026年6月19日から1年間有効で、補助金の申請受付や審査は前海管理局が担当します。どの商圏や事業者が支援対象となるか、また海外電子ウォレットとの提携がどこまで実現するかは、現時点では明らかになっていません。なお、深圳市政府の英語サイトは7月1日、深圳地下鉄が改札で国際銀行カードを受け入れる方針を報じています。

促進会より

当会は、深圳を訪れる日本の皆さまにとって役立つ受け入れ環境の変化について、引き続き情報収集に努めてまいります。今後も、深圳と日本の人的往来と交流が円滑に進むよう、情報共有の場を提供してまいります。

本記事は公開情報をもとに作成した参考情報です。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。

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