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一般社団法人 日本深圳総商会

Shenzhen × Japan — 2025.06.18

深圳の創業板、「第3基準」を正式運用へ 赤字の革新企業に上場の道

中国証券監督管理委員会(証監会)の呉清主席は2025年6月18日、上海の陸家嘴フォーラムで、深圳証券取引所の創業板で上場基準の「第3基準」を正式に運用し、黒字化前の優良な革新企業の上場を支援すると表明しました。科創板改革の「1+6」措置も併せて発表されました。

概要

2025年6月18日、上海で「2025陸家嘴フォーラム」が開幕し、中国人民銀行の潘功勝総裁、国家金融監督管理総局の李雲沢局長、中国証券監督管理委員会(証監会)の呉清主席らが講演しました。呉主席はこの中で、深圳証券取引所の新興企業向け市場「創業板」で上場基準の「第3基準」を正式に運用し、黒字化前の優良な革新企業の上場を支援すると表明しました。

あわせて、上海証券取引所の科創板について、改革を一段と進める「1+6」の政策措置が発表され、同日、証監会は「科創板に科創成長層を設置し制度の包摂性・適応性を高めることに関する意見」を公表しました。

背景

創業板は深圳証券取引所に開設された成長企業向けの市場で、2020年に登録制へ移行した際、利益要件のない上場基準を含む複数の基準が設けられました。今回、その中の「第3基準」を正式に運用することで、まだ利益を上げていない革新企業にも上場の道が開かれることになります。

証監会は、科創板と創業板の改革を足掛かりに、より魅力と競争力のある市場体系を構築する方針を示しています。呉主席によると、2024年のA株上場企業の研究開発投資は1.88兆元と社会全体の半分以上を占め、保有特許数は全国の3分の1に達しました。また、プライベート・エクイティやベンチャー投資ファンドは、科創板と北京証券取引所の上場企業の9割、創業板上場企業の過半に出資しています。時価総額1,000億元を超えるA株上場企業に占める科技企業の比率も、12%から27%に高まったとしています。

主なポイント

  • 創業板:第3基準を正式に運用し、優良な赤字の革新企業の上場を支援します。
  • 科創成長層の設置(「1」):技術的に大きな突破があり、事業の将来性が高く、研究開発投資を続けているものの、まだ黒字化していない科技型企業を対象とします。該当企業の銘柄名には「U」を付し、投資家適合性の要件も強化されます。
  • 6つの改革措置(「6」):第5基準で上場する企業への経験豊富な専門機関投資家制度の試行導入、優良科技企業向けのIPO事前審査の試行、第5基準の適用範囲拡大などが含まれます。
  • 第5基準の拡大:これまで主にバイオ医薬分野で適用されてきた赤字企業向けの基準を、人工知能、商業宇宙、低空経済などの先端分野にも広げるとしています。
  • その他:科創債の発展と科創債ETFの早期導入、全国初となるデータセンターREITs 2本の登録承認、QFIIの取引可能な先物・オプション品目の100への拡大、M&Aの手続き簡素化などにも言及しました。
  • 上場後の監督:呉主席は「上場は終点ではなく出発点」であり、資金調達は目的ではなく手段だと述べ、上場企業に対する一貫した監督体制を整える考えを示しました。また、中国資本市場学会の上海での設立が承認されたことも明らかにしました。

日本・深圳の交流への意味

創業板は深圳の資本市場の中核の一つであり、今回の措置により、深圳や粤港澳大湾区のスタートアップを含む技術系企業の資金調達の選択肢が広がるとみられます。証券会社の万聯証券は、香港取引所に上場する大湾区企業が深圳証券取引所に上場することを認めるとした中国の最新の方針と合わせ、第3基準の運用が大湾区の科技企業の成長を後押しする可能性があるとの見方を示しています。日本企業にとっては、深圳の技術系スタートアップの成長環境が変化することで、協業先や取引先の選択肢、オープンイノベーションの機会に影響が出る可能性があり、注目が集まっています。

今後の見通し

今回確認した報道では、創業板第3基準の具体的な数値要件や、最初の適用企業の時期などは示されていません。深圳証券取引所による具体的な運用ルールや審査の動向が、今後の焦点になるとみられます。

促進会より

当会は、深圳の資本市場や企業の資金調達環境に関する制度の動きを引き続き注視してまいります。日本と深圳の企業が互いのビジネス環境を理解できるよう、情報共有と交流の場づくりに努めてまいります。

本記事は公開情報をもとに作成した参考情報です。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。

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