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一般社団法人 日本深圳総商会

Shenzhen × Japan — 2025.05.19

ファーウェイ、自社開発OS「HarmonyOS」搭載PCを発表

深圳に本社を置くファーウェイは2025年5月19日、自社開発OS「HarmonyOS 5」を搭載したノートPC「MateBook Pro」などを発表しました。カーネルから自社で構築したOSで、2,700件超の中核特許と5年間の開発を経たとしています。PC向けOS市場の新たな動きとして注目されています。

概要

深圳に本社を置く華為技術(ファーウェイ)は2025年5月19日、四川省成都市で発表会を開き、自社開発のOS「HarmonyOS(鴻蒙)」を搭載したパソコンを発表しました。発表されたのはノートPC「MateBook Pro」と折りたたみ型の「MateBook Fold 非凡大師」で、いずれも「HarmonyOS 5」で動作します。HarmonyOSがパソコンに搭載されるのはこれが初めてです。

これに先立つ5月8日、ファーウェイは深圳で「HarmonyOS コンピューター技術・エコシステム交流会」を開き、PC向けHarmonyOSの概要を公表していました。同社タブレット・PC製品ライン総裁の朱東東氏は、安全でインテリジェント、かつ相互に接続されたコンピューティング体験を目指すと説明しました。

背景

HarmonyOSは2019年8月に正式発表されたオープンソースのOSで、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル端末、スマート家電、新エネルギー車などに搭載されてきました。2024年時点で、ネイティブアプリは2万本以上、開発者コミュニティは720万人超、対応する接続機器は10億台を超えるとされています。同社によると、HarmonyOSの開発は2015年に始まりました。今回のPC版は、スマートフォンやタブレットと同じHarmonyOS 5を基盤としており、端末の種類を超えて一体的に使える環境を目指しています。

一方、PC向けOS市場は長年、マイクロソフトのWindowsとアップルのmacOSが大半を占めてきました。中国国内の代替OSは、これまで主にLinuxをベースにした改良版でした。また報道によると、ファーウェイに対するマイクロソフトのWindows供給ライセンスは2025年3月に期限を迎えており、同社が新たなPC向けOSを用意する必要性が指摘されていました。

主なポイント

  • 開発規模:5年間にわたり、20以上の研究所から1万人超の技術者が開発に参加し、2,700件を超える中核特許を有するとしています。
  • カーネルからの自社開発:既存OSの改良ではなく、カーネル(中核部分)から構築したと説明しています。
  • 端末側AI:AI機能を端末上で処理し、クラウドへの依存を減らす設計としています。
  • 開発効率:「一度の開発で複数端末に展開」という開発フレームワークを採用し、アプリ開発のコストと期間を抑えられるとしています。
  • アプリ対応:同社によると、PC向けに2,000本以上のアプリの対応作業が進んでおり、5月上旬の時点で300本以上が利用可能となっていました。
  • 端末間連携:発表会で余承東常務取締役は、ソフトウェア、ハードウェア、端末、クラウドを統合することでPC体験を根本から変えると述べました。
  • 発表当日の反響:発表当日の5月19日には、上海・南京路にあるファーウェイのグローバル旗艦店にも多くの来店者が訪れたと報じられています。

日本・深圳の交流への意味

深圳発の大手IT企業が、スマートフォンに続いてPCでも独自OSの展開を本格化させたことは、中国市場のソフトウェア環境が多様化していく動きの一つとみられます。中国市場向けにソフトウェアや周辺機器、業務アプリケーションを提供する日本企業にとっては、新しいOSへの対応の要否が今後の検討課題になる可能性があります。また、深圳には端末メーカーや部品・ソフトウェア開発企業が集積しており、新たなエコシステムの形成がサプライチェーン全体にどのような影響を与えるかにも注目が集まっています。

スマートフォン、家電、自動車、PCを一つのOSでつなぐ構想は、IoTやスマート家電の分野で事業を行う日本企業にとっても、中国市場の技術動向を把握するうえで参考になるとみられます。

今後の見通し

PC向けHarmonyOSの普及は、対応アプリの数や使い勝手、法人ユーザーの採用動向などに左右されるとみられます。海外市場での展開や、どの程度のシェアを獲得するかについては、現時点では明らかになっていません。

促進会より

当会は、深圳を拠点とする企業の技術開発やエコシステム形成の動向を引き続き注視してまいります。日本と深圳の企業が互いの技術動向を理解し合えるよう、情報共有と交流の場づくりに努めてまいります。

本記事は公開情報をもとに作成した参考情報です。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。

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